主投影機
投影機には、主投影機と補助投影機があります。主投影機に該当するものは9つ、補助投影機に該当するものは5つです。このページでは主投影機の紹介をします。各投影機長より紹介文をいただきました。
こうとう
こうとうとは恒星投影機の略称です。一等星、北極星、惑星、天の川以外の全ての星はこうとうが投影しています。こうとうは全天を32個の星域に分割し、それぞれに対応するユニットを用いてドーム内に無数の星を映し出すプラネタリウムの花形です。肉眼で見える星が6等星までの約8600個といわれるなか、こうとうではさらに暗い7等星までの約2万個の星を再現しています。
視界いっぱいに広がる満天の星をぜひご覧ください。
いっとう
一等星投影機(略称:いっとう)では、一等星と一部の惑星・二等星の計24個の星を投影しています。夜空で一際美しく輝く一等星を再現するため、一つの星に対して一つの投影機を割り当てる方法を採用しています。そうすることで、色や明るさといった星の個性をプラネタリウム内に忠実に再現しています。例えば、シリウスやカノープスなどの特に明るい星にはシャープな星像を実現できる焦点距離の長いレンズを採用したり、赤い星として有名なベテルギウスを他とは異なる黄色LEDを用いて表現したりと工夫を凝らしました。恒星投影機が投影する他の星々と大きさや明るさの点で不自然さが生まれないようにも注意し、夜空に溶け込みつつもメリハリのある輝きを実現できたと思います。
また、今年はこれまでの代で課題であった投影機の耐久性を向上させるべく、大幅な機構の改良を行いました。夏休みから何度も試作を重ね、エクセレントな投影機が完成しました。
各投影機が織りなす美しい夜空を眺めながら、煌めく一等星にぜひご注目ください。
ぎんとう
銀河投影機とは、天の川を映し出す投影機で、夜空を一周する天の川を4つに分けて4つの投影機を使って投影しています。以前はピンホール式と呼ばれる方式を採用していましたが、一昨年からレンズ式の投影方法になりました。レンズ式はピンホール式に比べ格段に像が良くなり、今年もその方式を踏襲しています。さらに、今年は像を良くするために原板を複数枚重ねて天の川の投影を実現しています。
また、原板作りにはエッチングと呼ばれる、銅板を化学薬品によって腐食させて穴をあける方法を用いて制作することで、完成度の高い原板を目指しています。
満天の星にかかる美しい天の川をぜひご覧ください。
星座絵
星座絵投影機はプラネタリウムの星空に星座のイラストを投影する投影機です。実際の星空やプラネタリウムの星空を見るとき、星の並びだけでは星座の形がイメージしづらいことがあると思います。そういうときに星座の絵が星と一緒に投影されることでその星座をイメージしやすくなるのではないでしょうか。星座絵はエッチングという、酸性の薬品を用いて銅を溶かす手法を使って、銅箔に穴を絵の形にあけそれにLEDの光を当ててレンズで集光することによって投影しています。
かごしい
かごしいとは,プラネタリウムで星々を映す上で土台となっている投影機のことです。 あらゆる投影機がかごしいに取り付けられ,それらがズレないように支えているので,いわば「縁の下の力持ち」ということになります。一等星などの恒星,天の川,星座絵,誰しもが知っているあんな星,天文オタクしか知らないようなこんな星…つまり夜空で輝く全ての星々が,プラネタリウムのドーム中心部に設置されたかごしいから映し出されます…!
かごしいは主に4つのパーツに分かれています。日周・緯度変と呼ばれるパーツのモータ ーによって,ドームに映す北天と南天の星を入れ替えることができます。「かごしい」の 「か」は「かご」と呼ばれるパーツのことで,星座絵投影機を取り付けます。「ご」は 「ごきぶり」と呼ばれるパーツで,かごしい全体を支える土台です。黒いためこのように 呼ばれております。「しい」は「しいたけ」を示し,恒星・一等星・銀河投影機が取り付 けられます。椎茸の傘に形が似ているのでこのように呼ばれております。
ドームの中心から映し出される美しい星々をどうぞご覧ください。
日電
日電とは、日周緯度変、電気パートの略称です。と言っても具体的に何をしているのかいまいちイメージがつきにくいと思うので、ざっくり説明していきたいと思います。
まず一つ目は、日周緯度変という道具組み立て、動作の制御をしています。プラネタリウムは、様々な地域・時間の星空を投影できるようにできていますが、それらを全て一度に投影できるわけではありません。そこで、日周緯度変という道具を用いてプラネタリウムの中心部を回し、音声番組・ライブ解説で使う星空を投影できるようにしています。
二つ目は、ドーム内外の配線です。天文部のプラネタリウムでは、部員が各班に別れて各々担当の投影機を作成したり音声番組作成をしたりしていますが、それらは全て外部電源と投影機を繋ぐ配線作業無しには光ることはありません。その配線作業は、外部源だけで40本近くのコードを必要とします。この複雑な配線作業も日電の仕事の一つです。
三つ目は、星座絵の無線制御です。プラネタリウム上映中には星空に通称星座絵と呼ばれる、各星座のモチーフとなった物や人の絵が映されます。それらを音声番組やソフトに合わせて無線で制御しています。
以上が日竃の主な仕事となっています。長くなってしまいましたが、日電はプラネタリウムの縁の下の力持ち的な存在です。私達は本番、あまり日の目を見ることはありませんが、日電無しには他の投影機が日の目を見ることもありません。この記事を読んでこんな人達もいるんだと頭の片隅にでも置いておいて下さると幸いです!!では、引き続き天文部のプラネタリウムをお楽しみ下さい!!!
ドーム
ドームとは、名前にかいてある通り、全ての投影機が投影するためのスクリーンであるドーム本体の作成を担当する投影機です。直径12m、高さ7.8mと 、推定重量は200kgとされているとても巨大なものです。
今年はドームを一から作り直しました。部員の夏休みを返上して製作したドームは非常に素晴らしい出来映えになったと自負しております。
ドームは投影機と言いつつも何も投影しません。しかし、他の投影機が投影するための土台を製作していると考えれば、投影機と言ってもいいのではないでしょうか。
大規模で美しいプラネタリウムの土台となるドームにも是非注目していただきたいと思っております。駒場祭でお待ちしております
ソフト
プラネタリウムに欠かせない星空解説の監修や音響、プロジェクターなどの演出全般を担当しているのがソフトです。
天文部では毎年、部員の中から有志で解説者を募集し、オリジナルの解説を作成しています。原稿の修正を繰り返し、本番を想定した練習を何度も行うことでより良い解説になるように全力を尽くしています。今年も多種多様な解説が9本完成しました。
我々ソフトの仕事は、星座や神話の解説を通して、満天の星空の下にいるみなさんの感情を動かすこと。せっかく普段見えない星々が見えているのだから、様々な知識を吸収し、色々なことを感じて欲しい、という想いを胸に制作してきました。他の投影機が映し出す素晴らしい星空を見ながら、ぜひ解説にも耳を傾けてください。
展示
展示はプラネタリウムにおいてドーム以外の体育館の装飾を担当しています。投影機とは言っても実際に投影を行うわけではありませんが、お客様に駒場祭プラネタリウムの魅力がより一層お伝えできるように工夫を凝らしております。天文部に関する活動紹介などの文章展示はもちろん、望遠鏡などといった機材の展示も行います。特に、部員の撮影した天体写真、星景写真の展示は数も多く、美しい写真が揃っています。みなさまに天文部の活動に親しんでいただくためにさまざまな展示を用意しておりますので、是非お楽しみください。
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